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Amazon広告の予算はどう決める?採算・資金・増分で判定する

Amazon広告の予算は「売上の何%」で決めると外れやすくなります。1件の注文に払える上限、回収まで待てる資金、広告が本当に増やした注文かの3点で判定する手順を、計算例と段階別の増やし方の表で解説します。

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Amazon広告の予算は、売上の何%かで決めるより、採算・資金・増分の3つを順に確かめて決めるほうが外れません。どれか1つでも満たさないなら、予算は増やさないのが原則です。

「来月の広告費はいくらにするか」。多くの会社で、この答えは前月の実績に少し足した数字になっています。

それで回っているうちは困りません。困るのは、売上が伸びない月や、増額の提案を受けたときです。判断の物差しがないと、増やすのも減らすのも感覚になります。

ここでは、予算を決めるための3つの判定と、段階的に増やすときの見方を順に整理します。

Amazon広告の予算は売上の何%が目安?

売上の5〜10%前後という目安がよく挙がりますが、これは利益構造が平均的な商品を前提にした数字です。

広告費を売上全体で割った値はTACoSと呼ばれ、ブランド全体の広告の重さを見るのに使います。目安としては便利です。

ただ、利益率40%の商品と20%の商品では、同じ10%でも意味がまったく違います。前者には余裕があり、後者は利益の半分を広告に払っている計算です。

割合から入ると、この違いが消えます。予算は、商品の利益から逆算して決めます。

予算を決める3つの判定とは?

採算、資金、増分の3つです。上から順に確かめ、1つでも外れたら増やしません。

判定 問い 確認する数字
採算 注文1件にいくらまで広告費を払えるか 広告費をかける前の利益、残したい利益、許容CPA
資金 広告費と在庫を先に払っても、回収まで待てるか 手元資金、入金までの日数、在庫の仕入れ額
増分 その広告がなければ生まれなかった注文か 予算を増やしたときの追加分の注文数と追加分のCPA

順番には理由があります。採算が合わない広告は、資金や増分を見るまでもなく止める対象です。採算が合っていても、資金が尽きれば続けられません。そして採算と資金が合っていても、増やした予算が注文を増やしていなければ、使う意味がありません。

採算:注文1件にいくらまで払えるか

広告費をかける前の1件あたりの利益から、残したい利益を引いた額が、広告で払える上限(許容CPA)です。

以下は計算例です。手数料はカテゴリや商品サイズで変わるので、自社の数字に置き換えてください。

項目 計算例
販売価格 3,000円
広告費をかける前の利益(原価・手数料を引いた後) 1,200円
1件あたりに残したい利益 300円
許容CPA(広告で払える上限) 900円
広告経由の転換率 10%
許容クリック単価(許容CPA × 転換率) 90円

この商品で広告経由の注文を月300件取りたいなら、予算の上限は900円 × 300件 = 27万円です。

上限はあくまで天井。実際のCPAがこれより低ければ、その分が利益として残ります。逆に実績のCPAが900円を超えているなら、予算を増やす前に入札や検索語の見直しが先です。

立ち上げ期の商品や、ブランド名を知ってもらうための広告は、この上限を超えて出すことがあります。その場合は「何か月で、総額いくらまで」と、期限と総額を先に決めておきます。

資金:回収まで待てるか

広告費は毎月先に出ていき、売上の入金は後からまとまって入ります。予算を増やすほど、その間の手元資金が多く必要になります。

Amazonの売上金は一定の周期でまとめて入金されます。広告費はその前に請求され、在庫の仕入れ代金はさらに前に払っています。

採算が合う広告でも、増額した月は「在庫の追加仕入れ」と「広告費の増加」が同時に出ていきます。入金が追いつくのは翌月以降。この間の不足を見込まずに増額すると、在庫切れで広告を止めることになり、積み上げた検索順位まで落ちます。

現場でよく見るのは、セール前に広告予算だけを増やし、在庫の追加発注が間に合わないケースです。予算の増額は、在庫計画と同じ表で決めます。

増分:広告が本当に増やした注文か

管理画面に出る広告経由の注文には、広告がなくても買われた注文が含まれます。予算の判断には、増やした分で増えた注文だけを見ます。

わかりやすいのは自社ブランド名での検索広告です。ブランド名で検索した人は、広告がなくても自然検索の結果から買う可能性が高い。そのためACoSは低く出ますが、数字ほど注文を上乗せしていないことがあります。

増分を見る実務的な方法は、予算を段階的に動かし、追加した予算に対して注文がいくつ増えたかを測ることです。

月の予算 広告経由の注文 追加した予算 増えた注文 追加分のCPA
30万円 300件 (基準) (基準) (平均 1,000円)
40万円 380件 10万円 80件 1,250円
50万円 430件 10万円 50件 2,000円

※計算例です。

平均のCPAだけを見ると、50万円のときでも約1,160円。許容CPAが1,500円なら「まだ増やせる」と読めてしまいます。ところが追加した10万円だけを見ると、1件2,000円で上限を超えています。

予算の判断に使うのは平均ではなく、追加分のCPAです。この例なら40万円前後が上限の目安になります。

段階は一度に大きく動かさず、2〜4週間ずつ見ます。季節要因やセールと重なる期間は比較に使いません。

予算を増やす提案を受けたら何を確認する?

「平均ACoSが目標内だから増やしましょう」という提案は、増分を見ていない可能性があります。

代理店や社内の担当者から増額の提案を受けたときは、次の3点を聞くと判断しやすくなります。

増額した分で何件の注文が増える見込みか。その追加分のCPAは、許容CPAの内側に収まるのか。そして、ブランド名での検索広告と一般の検索語の広告を分けて見ているか。

この3つに数字で答えが返ってくるなら、提案の根拠はしっかりしています。返ってこないなら、まず小さく増やして測るところから始めれば十分です。

予算を減らすときも同じ物差しが使えます。追加分のCPAがいちばん悪い枠から削る。全体を一律に削るより、売上の落ち方が小さく済みます。

まとめ

Amazon広告の予算は、売上に対する割合ではなく、採算・資金・増分の3つで決めます。

採算は、広告費をかける前の利益から残したい利益を引いた許容CPAで見ます。資金は、広告と在庫を先に払っても回収まで持つかで見ます。増分は、予算を段階的に増やし、追加分のCPAが許容CPAを超えないかで見ます。

いまの広告予算のうち、増やした分で増えた注文は何件か。答えられないなら、そこが最初に測るところです。

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