AMC分析·約4分で読めます

広告した商品以外も売れている?ハロー売上をAMCで見る方法

Amazon広告のROASは、広告した商品が売れた分しか数えていないことがあります。同じブランドの別商品に波及した売上、いわゆるハロー売上をAMCで分けて集計する方法と、数字を読むときの3つの注意点を解説します。

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広告管理画面のROASは、広告した商品そのものが売れた分しか数えていないことが多く、同じブランドの別商品に波及した売上が抜けています。AMCを使えば、この波及分を広告の種類ごとに分けて確認できます。

この広告は費用対効果が悪いから止めよう。その判断の根拠になっているROASは、売上の一部しか数えていないかもしれません。

広告を見た人が、広告した商品ではなく、同じブランドの別の商品を買うことがあります。洗顔料の広告を見た人が、同じブランドの化粧水を買う、といった形です。

この記事では、この波及した売上をAMC(Amazonの広告・購買データを匿名化された単位で分析できる環境)で見る方法と、数字を読むときの注意点を整理します。

ブランドハロー効果とは?

広告した商品以外の、同じブランドの商品が買われることをブランドハロー効果と呼びます。そこで生まれた売上がハロー売上です。

スポンサープロダクト広告やDSPの管理画面で見る売上は、基本的に広告に出した商品が売れた分です。

一方で、広告をきっかけにブランドを知った人が、隣に並ぶ別の商品を選ぶことがあります。広告の効果が隣の商品にまで及んでいる状態。

AMCのデータでは、広告接触後の購入が「広告した商品の購入」と「同じブランドの別商品の購入」に分けて記録されています。この2つを分けて集計すれば、広告レポートに出てこない売上の大きさが見えます。

なぜROASだけでは広告を見誤るのか?

ROASの分子に入っているのは、たいてい広告した商品の売上だけです。複数の商品を展開しているブランドほど、広告の効果を小さく見積もりやすくなります。

広告費を使ったのは1つの商品でも、お客さまが実際に買ったのはブランドの別の商品だった。その売上はROASに入らないまま、この広告は効いていない、と判断されてしまいます。

現場でよく見るのは、スポンサーブランド広告のROASが低いからと予算を削ったら、広告していない商品の売上まで落ちた、というケースです。削った後で気づくので、原因の特定にも時間がかかります。

裏を返せば、ハロー売上を含めて見直すことで、思っていたより成果を出していた広告が見つかることもあります。

AMCでハロー売上を見る手順は?

広告接触後の購入を、広告した商品の購入と同じブランドの別商品の購入に分けて合計し、広告の種類やキャンペーンごとに比率を出します。

集計の考え方は単純です。広告に接触した人のその後の購入を2つに振り分けて足し合わせるだけ。

広告の種類ごとに、ハロー売上の比率の出方は変わります。

広告の種類 主な役割 ハロー売上の比率の傾向
スポンサープロダクト 特定の商品を売る 低めに出やすい
スポンサーブランド ブランドと複数商品を見せる 高めに出やすい
DSP 認知を広げる 高めに出やすい

広告タイプ別 売上構成のイメージ図

上の図はイメージ図で、数値は説明のための例です。スポンサーブランドやDSPは特定の商品を売るよりも、ブランドを覚えてもらう方向に寄っています。比率が高めに出やすいのはそのためだと考えられます。

なお、AMCでは利用者が100人に満たない集計単位は結果に出てきません。プライバシー保護のための制約です。集計は広告の種類やキャンペーンくらいの粒度にとどめるのが現実的です。

ハロー売上を含めると総売上はどう変わる?

広告レポートの売上を100としたとき、ハロー売上を足した総売上はそれより大きくなり得ます。差の大きさは、商品の数と広告の種類の組み合わせで変わります。

広告レポートに現れない波及売上のイメージ図

この図もイメージ図で、指数は説明のための例です。見てほしいのは差の大きさではなく、構造のほう。広告レポートの数字の外側に、もう一段の売上があります。

購入者の数で見ても同じ構造です。

Halo購入者は直接購入者とは別の集団であるイメージ図

こちらもイメージ図です。ハロー購入者は、広告した商品を買った人とは別に存在する、もう1つの成果と捉えると分かりやすくなります。同じ広告接触から、2種類の購入者が生まれています。

ハロー売上の比率はどう読めばいい?

比率が高い広告ほど優秀、とは限りません。広告の役割の違い、比率が低いことの意味、因果ではないことの3点を押さえて読みます。

1つ目は、比率の高さは役割の違いを映しているだけかもしれない、という点です。DSPのように認知を担う広告は、そもそも広告した商品の購入が少なく、比率が高めに出ます。広告の質の差ではありません。

2つ目は、比率が極端に低いキャンペーンにも意味がある点です。広告した商品しか売れていないなら、ブランド全体への波及が起きていない可能性があります。ただしこれは仮説です。商品のカテゴリや買い替えの頻度でも変わるので、他の数字と合わせて確かめます。

3つ目が一番大事です。ハロー売上の比率を使ってROASを単純に補正してはいけません。比率が30%だから実質のROASは1.3倍、という掛け算は成り立たない。広告を見なくても同じブランドの別商品を買っていた人が含まれているからです。

AMCで見えるのは、広告接触の後に起きた購入です。広告がなければ起きなかった購入だとは断定できません。

まとめ

広告した商品だけを数えるROASは、ブランド全体の広告効果の一部しか映していないことがあります。AMCで購入を広告した商品と同じブランドの別商品に分けて集計すれば、広告レポートに出てこない売上が見えます。

ただし、比率は広告の役割で変わり、比率の大小で広告を序列づけるのは危険です。まずは自社のキャンペーンで内訳を実際に出してみる。そこから、広告の種類ごとの役割分担を見直すのが現実的な一歩です。

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本記事の図はいずれも構造を説明するためのイメージ図で、特定の会社の実測値ではありません。

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