Amazon DSPの始め方は?開設から初月の見方まで5つの手順
Amazon DSPを始めるときは、目的を1つに絞り、利用形態を選び、配信先とクリエイティブを決めて、初月は売上ではなく途中の数字で判断します。開設から配信設定、初月に見る指標までを手順で解説します。
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Amazon DSPは、目的を1つに絞る、利用形態を選ぶ、配信先を決める、クリエイティブを用意する、初月は途中の数字で判断する、の5つの手順で始めます。最初の1か月で売上だけを見て止めるのが、いちばん多い失敗です。
スポンサー広告は一通り回している。売上も伸びてきたが、最近は頭打ち。そんなタイミングでAmazon DSPの名前を聞く方が多いはずです。
ただ、DSPはスポンサー広告と同じ感覚で始めるとつまずきます。管理画面の作りも、成果の出方も違うからです。
この記事では、始める前に決めることから、初月の数字の読み方までを順に整理します。費用の考え方は別の記事で扱っているので、ここでは手順に絞ります。
Amazon DSPを始める前に決めることは?
最初に決めるのは「何のために配信するか」の1点です。新規顧客を増やすのか、検討中の人を取りこぼさないのか。目的によって配信先も見る数字も変わります。
DSPでできることは幅広く、目的を決めずに始めると配信先を広げすぎます。予算が薄く散って、どれも中途半端な結果になります。
目的は、だいたい次の3つのどれかに当てはまります。
| 目的 | 主な配信先 | 初月に見る数字 |
|---|---|---|
| 検討中の人を取りこぼさない | 商品ページを見たが買っていない人 | 広告経由の注文、ROAS |
| 新規顧客を増やす | 競合商品の閲覧者、関連カテゴリの購入者 | 新規顧客の割合、商品ページの閲覧率 |
| ブランドを知ってもらう | 興味関心やライフスタイルで絞った層 | リーチ数、フリークエンシー、指名検索の動き |
初めてなら、上から順に始めるのが無難です。検討中の人への配信は成果が見えやすく、DSPの管理画面に慣れる期間としても使えます。
一方で、スポンサーディスプレイ広告のリターゲティングで同じことができている場合もあります。DSPでなければできないことは何か。そこを先に確かめておくと、予算の判断がぶれません。
利用形態はどう選ぶ?
DSPの利用形態は、自社で管理画面を操作するセルフサービス、Amazonに運用を任せるマネージドサービス、代理店経由の3つです。予算の規模と、社内に運用する人がいるかで選びます。
| 利用形態 | 運用する人 | 向いているケース | 確認したいこと |
|---|---|---|---|
| セルフサービス | 自社 | 広告運用の担当者がいて、細かく調整したい | 利用開始の条件、管理画面の操作に慣れるまでの工数 |
| マネージドサービス | Amazon | まとまった予算があり、運用を任せたい | 最低出稿額、レポートの粒度 |
| 代理店経由 | 代理店 | 社内に担当者がいないが、運用の中身も把握したい | 手数料体系、レポートの中身、AMCでの分析ができるか |
最低出稿額や利用開始の条件は、時期や契約によって変わります。ここでは金額を書きません。公式の案内と見積もりで必ず確認してください。
現場でよく見るのは、セルフサービスで始めたものの、担当者がスポンサー広告と兼務で手が回らないケースです。配信を開始したまま、設定を見直さずに1か月が過ぎる。DSPは放置しても配信は止まらないので、予算だけが消えていきます。
社内で週に一度、管理画面を見る時間が取れるか。これが選ぶ基準になります。
配信先(オーディエンス)はどう決める?
配信先は、最初は2つか3つに絞ります。1つの配信設定に複数の層を混ぜると、どの層が効いたのか後から分かりません。
DSPの配信先は、Amazonの閲覧・購買の行動から作られます。主に使うのは次のような層です。
| 配信先の種類 | 中身 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 自社商品の閲覧者 | 自社の商品ページを見たが買っていない人 | 取りこぼしの回収 |
| 自社商品の購入者 | 過去に自社商品を買った人 | リピートや関連商品の案内 |
| 競合商品の閲覧者 | 競合の商品ページを見た人 | 新規顧客の獲得 |
| カテゴリの購入意向層 | 関連カテゴリを最近検索・閲覧した人 | 新規顧客の獲得 |
| 興味関心・ライフスタイル層 | 長期の行動から推定された興味関心 | 認知の拡大 |
配信設定は、配信先ごとに分けて作ります。自社商品の閲覧者と競合商品の閲覧者を1つの設定に入れてしまうと、成果の数字が混ざって判断できません。
もう1つ忘れがちなのが除外です。新規顧客を狙う配信では、直近の自社購入者を外しておきます。外さないと、放っておいても買う人に広告費を払うことになります。
クリエイティブは何を用意する?
最初は、商品ページの画像と情報から自動で作られる広告の形式で十分です。静止画バナーや動画は、配信が回り始めてから足します。
DSPには、商品の画像、価格、レビューの星、購入ボタンをまとめて表示する形式があります。商品を登録すれば作れるので、デザインの手間がかかりません。
検討中の人や競合商品の閲覧者に向けた配信なら、この形式で始めて問題ありません。見ている人は商品を探している最中なので、商品そのものを見せるのが早い。
自前のバナーや動画が効いてくるのは、ブランドを知ってもらう目的の配信です。まだ商品を探していない人に向けては、商品の写真だけでは足を止めてもらえません。
自前のクリエイティブには入稿規定と審査があります。審査で差し戻されると配信開始が遅れるので、配信したい日から逆算して余裕を持って準備します。
予算と配信回数はどう設定する?
予算は配信設定ごとに分け、1人あたりの表示回数に上限を付けます。上限がないと、同じ人に何度も表示されて費用が膨らみます。
1人に何回まで表示するか、という上限はフリークエンシーキャップと呼ばれます。DSPでは配信設定ごとに決められます。
上限の適正値は、商品や目的で変わります。目安を断定はしません。最初は控えめに置き、初月の数字を見て調整するのが安全です。
計算例で見ると、上限の効き方が分かります。
| 設定 | 月の予算 | 届いた人数 | 1人あたりの表示回数 |
|---|---|---|---|
| 上限なし | 50万円 | 2万人 | 25回 |
| 上限あり | 50万円 | 5万人 | 10回 |
数字は説明のための例です。同じ予算でも、上限があるほうが多くの人に届きます。1人に25回見せて買わなかった人が、26回目で買う見込みは高くありません。
初月の数字はどう見る?
初月は、広告経由の売上だけで判断しません。商品ページの閲覧率、新規顧客の割合、指名検索の動きといった、売上の手前の数字を合わせて見ます。
DSPの成果は、スポンサー広告より遅れて出ます。広告を見た人がその場で買わず、数日後に検索して買うことが多いからです。広告の成果として数える期間の外で買われれば、その売上は広告の数字に入りません。
担当者からよく聞くのは、1か月目のROASがスポンサー広告より低いので止めた、という話です。目的が新規顧客の獲得なら、ROASが低く出るのはむしろ自然です。比べる相手を間違えています。
初月に見る数字を、目的別にまとめます。
| 目的 | 主に見る数字 | 見方 |
|---|---|---|
| 検討中の人を取りこぼさない | 広告経由の注文、ROAS | スポンサーディスプレイのリターゲティングと比べる |
| 新規顧客を増やす | 新規顧客の割合、商品ページの閲覧率 | 既存客ばかりに届いていないかを確かめる |
| ブランドを知ってもらう | リーチ数、フリークエンシー、指名検索 | 配信前後で指名検索が動いたかを見る |
指名検索の動きは、ブランド分析の検索クエリパフォーマンスで確認できます。ブランド名や商品名での検索回数が、配信期間に増えているかを見ます。
ただし、指名検索が増えたのがDSPのおかげかどうかは、これだけでは断定できません。セールや季節の影響も重なるからです。厳密に測るなら、配信しない比較グループを作る方法があります。考え方は予算の決め方の記事で扱っています。
始めてから2か月目にやることは?
2か月目は、成果の出た配信先に予算を寄せ、出なかった配信先を止めます。新しい配信先を足すのは、その後です。
初月が終わったら、配信先ごとに目的の数字を並べます。
効いた配信先には予算を寄せる。効かなかった配信先は、クリエイティブを変えて1回だけ試し、それでも動かなければ止めます。
ここで新しい配信先を一度に増やすと、また数字が混ざります。1つずつ。
広告経由の数字だけでは判断がつかない場合は、AMCで広告に接触した人のその後の購買を追う方法もあります。DSPを見た人が、後からスポンサー広告経由で買っているかどうかが分かります。
まとめ
Amazon DSPを始めるときは、目的を1つに絞り、利用形態を選び、配信先を2つか3つに絞って配信を始めます。クリエイティブは商品情報から作る形式で十分で、1人あたりの表示回数には上限を付けます。
初月は、広告経由の売上だけで判断しません。目的に合った途中の数字を見て、2か月目に予算を寄せ直します。
自社の場合はどの目的から始めるのがよいか、今の代理店の運用は適正か。判断に迷ったら、私たち、むかしむかしにDSPについてご相談ください。
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